月が宿る宝石
「ムーンストーン」
古代から愛されてきた魅力、お手入れ方法まで
古代の人々を魅了した、月のような煌めき
ムーンストーンは、アデュラレッセンスと呼ばれる独特の光の現象が特徴。アデュラレッセンスとは、内部の構造が要因となって起こる光の散乱のことで、それゆえ幻想的な輝きを放ちます。
月の満ち欠けを表すとも言われるこの神秘的な輝きが、ムーンストーンの最大の魅力であり、長いあいだ様々なアクセサリーに採用されてきました。
その歴史は古く、古代ローマや古代インドといった国々で、数千年前から愛されてきた過去を持ちます。月の力を持つ石として神聖視され、更には幸運を呼ぶ石として、アムレットやお守りとしても愛用されてきました。
ムーンストーンが持つ意味や価値
6月の誕生石でもあり、そして蟹座の星座石でもあるムーンストーン。
石言葉として、次のようなものを持ちます。
古代インドでは聖職者の石として重宝され、一方ヨーロッパでは、旅人の安全を願うお守りとしても愛用されてきました。
また、恋愛成就や安産の効果があるともされており、女性に特に人気が高い宝石でもあります。同じ煌めきを1つとして持たない唯一無二の輝きが、人々を魅了し、心の奥底にある愛や情熱、希望を呼び起こします。
世界各地のムーンストーン:産地とその特徴
ムーンストーンは、インド、スリランカ、マダガスカル、ブラジル、アメリカなど、世界中の様々な国で産出されています。それぞれの産地によって、ムーンストーンの色合いや品質に特徴があります。
例えば、スリランカ産のムーンストーンは、透明感が高く、アデュラレッセンスも鮮やかで人気があります。CADNIのムーンストーンも、スリランカを中心に仕入れカッティングを行っています。
一方、インド産のムーンストーンは、オレンジやピンクなどのカラーバリエーションが豊富で、独特の魅力があります。また、アメリカ産のムーンストーンは、ブルーのシラーが特徴的で、個性的なデザインのジュエリーに適しています。これらの産地ごとの特徴を知ることで、ムーンストーン選びがより楽しくなりますし、自分に合った一粒を見つける手助けにもなります。
ムーンストーンと相性の良い宝石や地金
ムーンストーンは、その幻想的な輝きと独特の魅力で、他の宝石と組み合わせても美しいデザインを叶えてくれます。例えばモルガナイトやローズクォーツのような、透明度が高く華やかな宝石と組み合わせると、上品な煌めきに思わず目を奪われるはずです。
また、アメジストやパールとの組み合わせは、その神秘さを一層引き立て合い、互いの魅力を映し出すでしょう。さらに、ムーンストーンとブルートパーズやアクアマリンを組み合わせることで、夏らしい爽やかなコーディネートが完成します。
相性の良い地金は、やはりシルバー系。モノトーンなデザインに仕上がり、シルバーの中にその幻想的な煌めきが溶け込む、美しい姿へと変化します。
ムーンストーンの煌めきを永く保たせるコツ
私たちCADNIを含む多くのジュエリーブランドでは、ムーンストーンの魅力「アデュラレッセンス」ならびにその幻想的な煌めきを重視して、宝石選びを行っています。
ただ、アデュラレッセンスを伴うムーンストーンは、デリケートな宝石でもあります。毎日の着用の中では、できるだけ衝撃や摩擦から避けていただくことをおすすめします。
定期的に柔らかい布で拭いていただいたり、温水と中性洗剤で優しく洗浄していただくと、その煌めきが長く保たれます。