太陽の宝石
「ペリドット」
歴史や意味、その魅力、お手入れ方法まで
イブニング・エメラルドと呼ばれた鮮やかな緑色
ペリドットはその鮮やかな緑色から、歴史を通じて人々に愛されてきた宝石です。この宝石の起源は紀元前1500年頃のエジプトまで遡ることができ、エジプト人はこれを「太陽の宝石」と呼んでいました。また、その鮮やかな色彩はエジプトの豊かな自然を象徴し、ペリドットは貴重な財宝として王族や神殿で使われました。
古代ローマでは、「エメラルド」が実際にはペリドットであったという説もあります。ペリドットの独特の緑色がエメラルドのそれと混同されたこともしばしばあり、そのため、ペリドットは「イブニング・エメラルド」とも呼ばれていました。
中世ヨーロッパでは、ペリドットは悪霊を退ける力があると信じられていました。この宝石はまた、所有者に幸運と成功をもたらすとも考えられており、貴族の間で人気を博しました。
ペリドットが持つ意味や価値
8月の誕生石でもあり、そして天秤座の星座石でもあるペリドット。
石言葉として、次のようなものを持ちます。
ペリドットは、その明るく鮮やかな色合いから、非常にポジティブな意志を持ち主に授けると言われており、愛情や感謝の感情を高める力があるとされています。
また、所有者に安らぎと平穏をもたらすという逸話も有名。ストレスや怒り、嫉妬といった負の感情を和らげ、感情のバランスを取り戻す手助けをすると信じられています。さらに、ペリドットは新しい可能性に目を向け、変化を受け入れる勇気を与えるとも言われています。
世界各地のペリドット:産地とその特徴
ペリドットは世界中の様々な場所で産出されますが、主要な産地はアメリカのアリゾナ州です。アリゾナのサンカルロスインディアン保留地では、世界のペリドット産出量の約90%が採掘されています。
CADNIで取り扱っているペリドットも、このアリゾナ州産。新緑のような鮮やかさを重視し、丁寧に厳選・カッティングを施しています。
また、ミャンマー、パキスタン、中国、ベトナムなどアジアの一部地域でも高品質のペリドットが産出されています。エジプトのザビルギット島は古代からペリドットの産地として知られており、現在も一部で採掘が行われています。
ペリドットと相性の良い宝石や地金
ペリドットはその鮮やかな緑色が特徴的であり、色のコントラストを楽しみながら組み合わせるのがおすすめ。モルガナイトやアクアマリンと組み合わせると、ペリドットの色彩が際立ち、エレガントな雰囲気を作り出します。
また、パールと組み合わせると、ペリドットの鮮やかさとパールの柔らかさが相まって、繊細な美しさを醸し出します。
地金については、ペリドットはどの種類の金属とも相性が良いですが、特にイエローゴールドとの相性が抜群です。イエローゴールドはペリドットの緑色をより一層際立たせ、温かみのある印象を与えます。一方、ホワイトゴールドやシルバー系と組み合わせると、より洗練された印象に仕上がります。
ペリドットの煌めきを永く保たせるために
ペリドットは硬さが6.5~7と比較的優れていますが、衝撃には弱いため、取り扱いには注意が必要です。また、急激な温度変化や強い光にも敏感なので、直射日光の当たる場所や高温の場所での保管は避けましょう。
汚れた場合は、中性の石鹸水で優しく洗うか、柔らかい布で拭くと良いでしょう。ただし、ウルトラソニッククリーナーやスチームクリーニングは避けるとともに、クリーニング後はしっかりと乾かし、ほこりや汚れがつかないように保管してください。